鳥山牧場の紡ぎ和牛

やさしさは、あたらしいおいしさ

洗練された脂の甘み。
さらりとした、きれいな余韻。
これが、私たちの考える牛肉本来のおいしさです。
忘れていた基本や、大切な原点を思わせる
そのやさしい味わいは、緻密なデータの積み重ねと
そこに裏付られた一つひとつの工程を
紡ぎあわせるようにして生まれました。
いい牛肉とは何か。
「紡ぎ和牛」はその一つの指針となって
お客様の理想の実現をお手伝いします。

「紡ぎ和牛」の名前の由来とその想い...
「鳥山牧場の紡ぎ和牛」には、すべてが裏付けられた工程をつなぐことで、
赤身と脂がベストバランスな牛肉本来のおいしさを実現し、
牛肉の未来に向かって想いを紡いでゆくという願いが込められています。

20年に及ぶデータの蓄積が
私たちの財産です。

赤城山北西標高800mに位置する鳥山牧場には繁殖母牛400頭、総頭数1300頭もの和牛が暮らしています。生育段階ごとに分かれた清潔な牛舎の中では、一頭・一区画ごとに飼育員が作業にあたり、事務所に戻れば同じ飼育員が、今度はPCに向かって牛の生育記録や健康観察記録をデータ化していきます。このデータを元に一頭ずつ肥育プランが決定されるのです。
20年前からはじめたこの取り組みはめざましい成果をあげました。ある時から肉質に「ハズレ」の出現率が大きく減少したのです。と畜場では「鳥山牧場はあらかじめいい肉質の個体だけを集めているのでは?」と噂されたほど。しかしこれこそが20年のデータの蓄積の成果なのです。
思い描く牛肉を生産する術を得た私たちは、「いい牛肉とは何か」に向き合うためのブランドづくりに着手しました。

私たちの考え方見えない価値を
見えるように。

「一頭一頭」が見える。

詳しく見る

データを用いた徹底的な個体管理。一頭の牛が牧場内で生まれてから牛肉として出荷されるまでのありとあらゆる情報を記録しています。血統情報から日々の給餌履歴、健康観察履歴などの日々の生育記録だけでなく、牛肉として出荷される際の歩留等級や肉質等級、旨味の数値までを一貫してデータ化する取り組みを20年にわたって続けています。

閉じる

「おいしさ」が見える。

詳しく見る

おいしさを、証明します。「食肉脂質測定装置」と「味覚センサー」を用いて、脂身と赤身の「味わい」を科学的に測定。独自の味マップとあわせることで、おいしさを「見える化」しています。

閉じる

「改善点」が見える。

詳しく見る

ふりかえるから、いつもおいしい。鳥山牧場の厳しい肉質基準から外れる牛肉が発生してしまった場合、データを遡ることでその原因を特定。生産プロセスから原因となった要素を取り除くことで、おいしさの確度を高めています。

閉じる

「安心」が見える。

詳しく見る

おいしさは、安心から。鳥山牧場は北陸・中部・関東・甲信越で初となる『JGAP認証』を取得した肉牛生産農場です。畜産物の安全性を確保する『農場HACCP』の導入にいち早く着手し、未来の食の安全をさらにレベルアップしていくことを目指しています。

閉じる

さらに、見えない価値を、見えるようにするために。

改良への「ゲノム解析」を積極的に活用

詳しく見る

繁殖母牛全頭のゲノムデータを保有。その上で産まれた仔牛のゲノム解析によって、美味しさと血液交配の関係を公的機関と共同研究しています。解析をおこなうことでハズレのない安定したおいしさを追求しています。

閉じる

「治療ではなく、予防」という視点

詳しく見る

交配から出産、肥育まで健康管理はとても重要です。1日3回見回りをし、環境変化や衛生管理、危害分析までを記録、管理し、最適な予防方法を探し続けます。私たちは治療による対処ではなく、トラブルが起こる前の予防という視点で管理しています。

閉じる

「紡ぎ和牛」は、
牛肉の世界をひろげます。

赤身のやさしい甘み。脂の洗練された旨味。牛肉らしいジューシーな噛み心地と、さらりとした余韻。その一つひとつへの小さな驚きは牛肉に対するあらたな気づきとなって「いい牛肉」の価値観をより豊かにひろげてくれます。
「紡ぎ和牛」は肉質の細かな要望にもお応えできます。それは個体に紐づけられた血統データや生育記録から、牛肉加工前にあらかじめ肉質を知ることができるから。お客様の要望を元に特定した個体を出荷することで、求める質の牛肉を正確かつ安定してお届けすることができます。お客様の理想の牛肉をぜひお聞かせください。
赤身と脂のバランスのとれた味わい。思い通りの肉質を生み出す科学的な方法論。この牛肉は味わいだけでなく生産過程にいたるまで、すべてが食肉業界への新しい提案です。

鳥山牧場生産モデル

鳥山牧場

一頭一頭
が見える

1.牧場生産カルテ

詳しく見る

経験や勘だけでなく、安定した成績を残すためには、データ活用は必要不可欠です。鳥山牧場では、体重や病気、給餌内容、治療内容などの記録管理に力を入れています。現在、約6000個体分のカルテデータを保持しています。

閉じる

実践実践
改善改善

改善点
が見える

2.旨味データの測定と蓄積

詳しく見る

毎週定期で旨味データを測定しています。この取り組みを10年前からはじめており、現在では2000個体分の旨味データを保有しています。お取引先様が求める目指すべき肉質への確度を高めることができます。

閉じる

検証検証
改善改善

おいしさ
が見える

3.赤身と脂のおいしさをマッピング

詳しく見る

私たちは、従来からの格付けによる評価基準だけでなく、味わいについての特徴を評価する指針が必要だと考えています。牛肉のおいしさを、うまみのマッピングで伝える仕組みに取り組んでいます。

閉じる

JGAP認証の取得。農場HACCPの導入。
未来に向けた食の安心安全の向上を目指す。

安心が見える

お取引先様

生活者

私たちが鳥山牧場生産モデルを実行し、日々いい牛肉とは何かを考え、
「紡ぎ和牛」がその指針となって
お客様の理想の実現にチャレンジしています。

大学では畜産関連の研究を通して、生産の楽しさを経験しました。自分が手塩にかけて世話をしていた牛が、健康で肉質の品質検査で好成績をおさめた数値を見た時は飼育員冥利に尽きます。また、出荷された牛の肉質データが牧場にもフィードバックされ、検証結果が数値化されることは、経験の浅い者にも評価がわかりやすく、目指す目標も立てやすいため、やりがいを持って取り組めます。
自分たちが大事に育てた紡ぎ和牛が、ヨーロッパやアメリカなど海外でも高く評価されていることを誇らしく感じています。さまざまな経験をもっと積み重ねて、質の高い肉牛生産者として、仲間とともにチャレンジしていきたいです。

<肥育部門>

岸田弘夢

一貫生産を行っているなかで、最も有益だと思うことは、全工程において目的を明確にした生産に取り組めることです。私が担当している繁殖工程においては、種雄牛をそれぞれの特徴から複数タイプに分類し、タイプ別の長所をバランスよく引き出すことを意識した独自の血統交配を行っています。給餌や健康管理においても、この分類を意識した対応をしており、これらにより、おいしさと肉質、肉量が安定し、ブレが少ない生産を実現しています。

当社はIoT を積極的に導入してきました。分娩監視システムを導入することにより、約90%の分娩にスタッフが立ち会うことができ、分娩時の事故の低減につなげています。深夜の監視がほとんど不要になったことから、スタッフの負担は大きく軽減されました。
他にも、牛の行動をリアルタイムにモニタリングする人工知能システムを導入しています。システムからの様々な記録やアラート機能により、牛の健康管理はもちろん、スタッフへの負担も軽減されています。
これからもデータに基づいた、いつ食べてもおいしい、安全で安心な肉牛生産を目指していきます。

<繁殖部門 家畜人工授精師>

青木渚

customer interview

「料理人の表現をのせやすい牛肉だと感じます」

白井屋ホテル the RESTAURANT

シェフ片山 ひろ

@2021 Ben Richards
@2021 Shinya Kigure

白井屋ホテルでは「出会いの場」というコンセプトを掲げていて、ザ・レストランではそのうちの「食における出会い」を担います。メニューはそのほとんどが群馬県内の食材から供されており、ゲストの方に群馬の食の新しい魅力に気づいていただくことを目指しています。

私たちは単なる地産地消ではなく、ローカルを追求することでグローバルにも認められる価値を表現したいと思っています。そういった国内だけではなく海外も見据え、「ここでいい」と現状に満足しない前のめりの姿勢において、鳥山牧場と私たちの考え方は重なるところがありました。

彼らは牛肉作りにおいてテクノロジーをうまく取り入れている点がユニークだと感じます。ただ愛情や手間暇をかけるだけではなく、ロジカルにおいしい牛肉を生み出すことで、業界にイノベーションを起こそうとしています。熱量を持ち、独自のやり方を追求している様子には「表現者」を感じます。彼らの牛肉の表現に、料理の表現者である私が何を乗せられるかということをいつも考えています。一度は彼らが牛の餌として味噌を与えていたことに触発されて、牛肉に味噌をあわせたメニューを考案したことがありました。

紡ぎ和牛の味わいに感じるのは「きれい」ということ。芯がありつつも清らかで、脂もくどくない。赤身の旨味がしっかりとあり、サシにも絶妙なバランスを感じます。全体の味わいがきれいであるゆえに、余韻も長く楽しむことができました。私のルーツとするフランス料理では赤身の方が重宝されますが、一般に和牛は素材として単体で完結できてしまうので、料理人の表現を乗せる余地が少ない。その点、赤身の旨味がたしかに感じられる紡ぎ和牛は、料理としても合わせやすく、自分のイメージが表現しやすい素材だと思います。

レストランに訪れるゲストは、より作り手の思いや取り組み、環境や地元への配慮といった味わい以外の要素やプロセスにも目を向けるようになってきていると感じます。「おいしいからいい」という考え方は失われつつある。紡ぎ和牛で行なっているような「おいしさ+α」の取り組みに対して関心をもつ人は、これからどんどん増えてくるでしょう。

@2021 Shinya Kigure

Profile

白井屋ホテル 片山 ひろ様
群馬県出身。帝国ホテルでキャリアをスタート。その後都内のレストランでの修行を経て地元群馬にて自身のレストランを開業する。2017年、自身のレストランを閉めて白井屋ホテルプロジェクトに参画。フロリレージュやベルギーのHertog Janなど、国内外の名店での2年以上にもわたる研鑚を経て、白井屋ホテルのメインダイニング the RESTAURANTのシェフに就任。

閉じる

詳しく見る

customer interview

「取り組みがユニークだからだけでなく、
おいしいから価値がある」

福島屋 秋葉原店

精肉バイヤー田辺 誠

福島屋 羽村本店
福島屋 羽村本店 精肉売り場

私たち福島屋では、基本的に会長が全国をまわりピックアップしてきたものを販売しています。生産者の方がいいものをつくっても伝わらない。スーパーも価格競争に陥っていて、商品そのものの価値が伝えられていない。したがってお客様も価格しか判断基準がない。その問題意識から、商品の価値をきちんとお伝えすること、結果としてお客様の食生活が豊かになることに重きをおいています。

私たちは自然食品や無農薬のスーパーと思われがちですが、「お客様においしいものを届けること」を何よりも大切にしています。商品を選ぶ基準としては想いや取り組みも重要ですが、いくら育て方がよくてもおいしくなかったら意味がない。おいしいということがまず基本にある。ただし、おいしいものはズルをしたりしては生まれないと思っています。ですから取り組みの部分までお伝えしているのです。

福島屋のお客様の特徴は「食べることが好きな人」。食への関心が高く、いいものやおいしいものを食べたい人が多い。福島屋はその期待を裏切ってはいけないと思っています。福島屋にしかないものを探しにきてくれている。そういう意味で鳥山牧場のような肥育から一貫生産された牛肉はなかなか出会えないお肉だと思います。霜降り至上主義に対する問題提起という部分も、福島屋のお客様は受け入れやすい人が多いのではないでしょうか。とにかく食への関心が高い人たちですから。

鳥山牧場の和牛は赤身に味があると感じました。ただ脂っこいだけではなくて、「本当の味」がある。お客様には素材の味をなるべく消さないようにシンプルに食べてほしいと思っています。ステーキで食べるのであれば塩胡椒で十分。すき焼きにするにしてもあまり甘くしないほうがよい。福島屋オリジナルのすき焼きのたれが相性がよいので、おすすめしています。ローストビーフにして販売もしていますが、とても評判がよいです。これもソースなどつけずに食べて欲しいと思います。味を足すことをあまりおすすめしません。「本当の味」をごまかさないほうがよい。福島屋では、和牛の取り扱いは鳥山牧場の和牛と仙台牛のみ。品質を確信して販売しており、お客様も信頼して購入してくださっています。

Profile

福島屋 田辺 誠様
2000年福島屋入社。精肉部のGLを経て、2009年役員に就任。
2010年以降、ファンタス羽村店店長兼任などのキャリアを重ね、
2021年11月より秋葉原店店長を兼任し、現在に至る。

閉じる

詳しく見る